日本でのコンテンポラリーダンスのギャランティーについて、前よりは改善されてきているとは感じている。出演料が0、って言うことも昔はあったし、それがわりと一般的な感もあった。5万円もらえるなんて滅多とないかもしれない。いや、むしろお金を払って出演するなんてこともあったし、未だにそんな話をあちこちで聞いてはいる。
けれども、ぼくはせめてまずは自分がもらえる額をなんとかしようと思った。そして、様々な運が重なって海外のカンパニーやプロダクションの公演に出演するようになり、ギャランティー以外に渡航費・宿泊費・食費に、良い時はさらに日当も出るような環境で仕事が出来ていた。コロナ時代になって今はその仕事はないけれど、しばらくしたら再開することを信じている。
そして、自分の作品では、助成金をほとんど取っていないけれども、出演者にも満足とは行かないけれども、可能な限り、予算が許す限り出せるだけ払おうとしてきた。けれどもなかなかそれは難しい。
難しい?
いや、難しいと思い込んでいるだけなのだろう。
自分にはもちろん、出演者にも今後はもっと払えるようにしたいので、そうなるようにしていく。
ご飯を食べるにもお金はいる。家に住むにも何かとお金はいる。子供がいたらどんどんお金が必要になるし、子供に使いたくなる。
拝金主義と言うのではなく、お金で世界の多くは回っているのだ。そこを、見ないとか、アンチになるとかでは、極端な話、全て自分一人で自給自足するしか無くなる。ぼくはその生活を望んではいないだけだ。
舞台にはお金が掛かる。美味しいご飯も食べたいし、子供には色んなことを体験して、学んでほしい。
出演者やスタッフにたくさんお金を払いたい。だから今よりも常にいつも多く稼いで行こう。